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家畜写真家 AKAPPLE

 

 

家畜写真家AKAPPLE

by Akari Takimi

 

 

1991年生まれ、北海道札幌市出身。

全国・海外の牧場を訪れ、主に家畜動物の撮影を行なっている。

 

大学卒業後、“第一次産業に携わる”ということを目的として系統の銀行に内定。

1年間働くも、その後ニュージーランドにワーキングホリデーへ行くことを決め退職。

 

1年3ヶ月間の滞在中には多くのファームステイを経験した。

そこでのある出来事が忘れられずに「家畜写真家」としての活動へと繋がっている。

 

 

 

以下、当時書き留めた文章である。

 

***

 

牛さんたちに今日も異常がないか、赤ちゃんが生まれていないかを確認をしに丘の上の放牧地まで私たちが行くと、そこには1頭の子牛が生まれていました。

 

彼女はおそらく、前の夜に生まれていたのでしょう。

気温も低い雨の中、早産で体も小さく、お母さんはどこかへ行ってしまい一人ぼっちで動けずにいました。

私たちが見つけた頃にはとても衰弱していました。

 

でも、彼女はまだしっかりと生きていました。

 

私は、彼女が寒そうにしていたので、腕でしっかりと抱いて温めていました。

少しすれば、元気になってくれるだろうと思っていたからです。

 

ニュージーランドでは、動物に助かる見込みがないと判断された時、できるだけ早く天国へ送ってあげなければなりません。

 

「助からないのに生かしておくと、その子は死ぬまで苦しまないといけないから。」

という動物福祉の考え方が理由です。

 

この理由によりオーナーの判断で、その子は発見から1時間足らずにもかかわらず射殺されることになりました。

 

確かに、彼女は私の腕の中で必死に生きていました。

当時の私には受け入れられませんでした。

私は、オーナーに「彼女を生かしておくことはできないのか」と何度も尋ねましたが、判断が変わることはありませんでした。

 

その後微かに銃声の音が聞こえ、しばらくの間涙が止まりませんでした。

 

彼女はお母さんから大切な「いのち」をもらって、必死に生きていました。

私は救ってあげたかった。

正解はわかりません。産業動物の難しさを感じました。

 

「いのち」の大切さを教えてくれてありがとう。

たった数時間の「いのち」だったけれど、彼女は私にたくさんのことを教えてくれました。

 

 

天国でお幸せに。

 

***

 

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