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家畜写真家 AKAPPLE





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Akari Takimi
1991年 北海道札幌市出身。

全国・海外の牧場を訪れ、
主に家畜動物(牛、羊、豚、鶏、etc)の撮影を行なっている。


大学3年の頃、第一次産業に携わるということを軸に就職活動をし、無事内定。
1年間働くも、その後ニュージーランドへワーキングホリデーをすることを決め、退職。

1年3ヶ月の滞在の間に経験したファームステイでのある出来事が忘れられずに
今の活動へと繋がっている。


当時に書き留めた文章が以下。


牛さんたちに今日も異常がないか、赤ちゃんが生まれていないか、
確認をしに丘の上の放牧地まで私たちが行くと、
そこには1頭の子牛が生まれていました。

彼女はおそらく、前の夜に生まれていたのでしょう。

早産で体も小さく、気温も低い雨の中、
お母さんはどこかへ行ってしまい、一人ぼっちで動けずにいました。

私たちが見つけた頃にはとても衰弱していました。


でも、彼女はまだしっかりと生きていました。


私は、彼女が寒そうにしていたので、腕でしっかりと抱いて温めていました。
少しすれば、元気になってくれるだろうと思っていたからです。

ニュージーランドでは、動物に助かる見込みがないと判断された時、
できるだけ早く天国へ送ってあげなければなりません。

動物福祉の考え方として、助からないのにずっと生かしておくと、
その子は死ぬまでずっと苦しまないといけないから。

というのが理由です。


この理由によりオーナーの判断で、発見から1時間足らずにもかかわらず、
その子は射殺されることになりました。

私の腕の中で、必死に生きているこの子を殺すのは、
当時の私には受け入れられませんでした。

私は、オーナーに
彼女を生かしておくことはできないのか、と何度も尋ねましたが
判断が変わることはありませんでした。

その後、微かに銃声の音が聞こえ、しばらくの間涙が止まりませんでした。

彼女は、お母さんから大切な命をもらって、必死に生きていました。
私は救ってあげたかった。

正解はわかりません。
産業動物の難しさを感じました。

命の大切さを教えてくれてありがとう。
たった数時間の命だったけれど
彼女は私にたくさんのことを教えてくれました。


天国でお幸せに。